なぜ量産トラブルは図面段階で決まるのか?

なぜ量産トラブルは図面段階で決まるのか?
― 現場任せが品質ばらつきを生む理由 ―

近年、
✅ 電動ブラインド
✅ 排煙窓
✅ 電動門扉
✅ 換気設備
✅ 小型電動製品
など、さまざまな製品で電動化が進んでいます。その中でよく聞くのが、

「試作では問題なかったのに、量産後に品質が安定しない」

という話です。例えば、
✅ モータが停止する
✅ ハーネスが断線する
✅ 接触不良が発生する
✅ 異音が出る
✅ 基板が誤動作する
などです。

しかし実際には、量産トラブルの多くは量産現場ではなく、図面や仕様の段階で原因が決まっている
ケースが少なくありません。今回は、なぜ量産トラブルが図面段階で決まるのかについて解説します。


試作は成功したのに量産で問題が出る理由

試作では、
✅ 技術者が組み立てる
✅ 少量生産
✅ 指定部材を使用する
✅ 問題があればその場で修正できる
という環境です。

一方、量産になると、
✅ 作業者が増える
✅ 生産数量が増える
✅ 部材ロットが変わる
✅ 生産効率が求められる
など条件が大きく変わります。つまり、「技術者の経験」で成立していた部分が、「誰が作っても同じ品質になる仕組み」へ変わらなければなりません。

その仕組みを決めるのが図面です。


図面に書いていないことは現場判断になる

量産で品質がばらつく原因の多くは、図面に書いていないことです。
例えば、
✅ 配線固定位置
✅ 結束位置
✅ ハーネス余長
✅ 接着材メーカー
✅ 同等品条件
✅ 圧着条件
✅ 検査基準

などです。設計者から見ると、「当然そうするだろう」と思う内容でも、図面に書かれていなければ現場では判断できません。
その結果、作業者ごとにやり方が変わり、品質差が発生します。


例① ハーネス固定位置の違い

可動部を持つ製品では、ハーネスの固定位置が非常に重要です。
例えば、図面には「ハーネス接続」としか書かれていない場合、作業者によって固定位置が変わることがあります。
すると、
✅ 曲げ応力増加
✅ 引張応力増加
✅ 可動部干渉
などが発生し、断線寿命が大きく変わる場合があります。

実際には、固定位置が数cm違うだけで寿命が変わるケースもあります。


例② 接着材指定がない

量産で意外と多いのが接着材です。図面に「シリコン塗布」とだけ記載されている場合、工場側は別メーカー品を使用する可能性があります。

例えば電磁ブレーキ付きモータでは、レバーカバー固定時にシリコン系接着材を使用するケースがあります。試作時は問題なくても、量産時に異なるシリコン材料へ変更されたことで、
✅ 接着強度
✅ 硬化後の弾性
✅ 温度変化時の追従性
などが変わり、接着状態に差が発生した事例があります。図面上は同じでも、品質は同じとは限りません。



良い量産図面とは?

良い量産図面とは、単に製品形状を示す図面ではありません。
重要なのは、量産時に品質を維持できることです。

例えば、
✅ 使用部材指定
✅ メーカー指定
✅ 同等品条件
✅ 配線ルート
✅ 固定位置
✅ 接着材指定
✅ 検査基準
✅ 注意事項
などが明確になっている図面です。

つまり、「誰が作っても同じ品質になる状態」を作ることが重要になります。


図面は製品を作るためではなく品質を維持するためにある

量産トラブルが発生すると、現場や工場に原因があるように見える場合があります。
しかし実際には、図面や仕様で決まっていなかったことが原因であるケースが少なくありません。

特に電動化製品では、
✅ モータ
✅ ハーネス
✅ PCB/基板
✅ 電源
✅ 筐体
など複数部品が関係するため、図面段階での検討が重要になります。


まとめ

量産トラブルの多くは、量産現場ではなく、図面や仕様の段階で原因が決まっているケースがあります。

特に、
✅ 配線固定位置
✅ 接着材指定
✅ 同等品条件
✅ 検査基準
など、図面に書かれていない部分が品質ばらつきの原因になる場合があります。
そのため、「試作で動く」だけでなく、「量産でも品質を維持できるか」という視点で設計を行うことが重要になります。


電動化製品の量産支援について

セイデンでは、
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