長距離配線でモータが止まる理由とは?
― 電圧降下・起動電流・ノイズなど、見落とされやすい原因を解説 ―

建築設備や住設分野では、
✅ 電動ブラインド
✅ 排煙窓
✅ 電動門扉
✅ 換気設備
✅ 後付け電動化
など、モータを使用した設備が増えています。その中で意外と多いのが、
「長距離配線によるトラブル」です。
試作段階では問題なく動作していても、実際の施工環境では、
✅ モータが途中で停止する
✅ 起動しない
✅ 動作が不安定になる
✅ 誤動作する
などの問題が発生するケースがあります。
今回は、長距離配線でモータトラブルが起きる理由について、実際の現場目線で解説します。
こんな症状はありませんか?
✅ モータが途中で停止する
✅ 起動時だけ動かない
✅ 動作が遅い・弱い
✅ 長距離になると不具合が出る
✅ 試作では問題なかった
✅ 屋外設備で誤動作する
1. 電圧降下によるトルク不足

最も多い原因です。配線が長くなると、配線抵抗によって電圧が低下します。その結果、
モータに十分な電圧が届かなくなるケースがあります。
特にDC24Vモータでは影響が大きく、
✅ 起動トルク不足
✅ 停止
✅ 動作不良
につながります。
どれくらいで影響が出るのか?
条件によって異なりますが
✅ 5m〜10m程度でも影響が出る場合がある
✅ 細い配線ではさらに電圧降下しやすい
など、配線条件によっては注意が必要です。
例えば、
✅ 0.2sq程度の細い配線
✅ 長距離配線
✅ 起動電流の大きいモータ
では、「試作では動いたのに現場で停止する」ケースもあります。
配線長の目安
| 配線長 | 起きやすい問題 |
|---|---|
| ~3m | 問題が出にくい |
| 5~10m | 起動トルク低下が出始める場合あり |
| 10~30m | 電圧降下・ノイズ影響に注意 |
| 30m以上 | 配線設計・電源設計が重要 |
※ モータ容量・配線太さ・電源条件によって異なります。
2. 起動時電流による問題

モータは起動時に、通常運転時より大きな電流が流れます。一般的には、
定格電流の3〜5倍程度
になるケースが多くあります。モータ種類によっては、
5〜10倍近く
になる場合もあります。
実際によくあるケース
例えば、定格1Aのモータでも、起動時に3〜5A程度流れるケースがあります。その状態で長距離配線になると、
✅ 配線抵抗
✅ 電圧低下
✅ 電源容量不足
などによって、
起動時だけ電圧が大きく低下
する場合があります。その結果、
✅ 起動しない
✅ 途中停止する
✅ 保護回路が動作する
などの問題につながります。
3. ノイズによる誤動作

長距離配線では、ノイズの影響も受けやすくなります。例えば、
✅ モータノイズ
✅ リレー接点
✅ スイッチング電源
✅ インバータ
など。
その結果、
✅ センサー誤検知
✅ 基板リセット
✅ 通信エラー
✅ リレー誤動作
などが発生する場合があります。
4. 特に注意が必要な設備
特に以下の設備では注意が必要です。
✅ 排煙窓
✅ 長尺ブラインド
✅ 屋外門扉
✅ 換気設備
✅ 後付け電動化設備
これらは、
✅ 配線が長い
✅ 屋外環境
✅ 温度変化
などの条件が重なりやすくなります。
よくある対策
長距離配線では、
✅ 配線を太くする
✅ 電源容量を見直す
✅ ノイズ対策を行う
✅ 配線ルートを最適化する
✅ ドライバ位置を見直す
✅ 実環境で評価する
などの対策が重要になります。
「動く」ではなく「安定して動く」が重要
試作時に動作していても、
「量産後」「実施工環境」
で問題が発生するケースは少なくありません。
特に建築設備では、
✅ 長期使用
✅ 屋外環境
✅ 長距離配線
など、一般機器より厳しい条件になります。
まとめ
長距離配線では、
「モータ選定」
だけでなく、
「配線設計」
も非常に重要になります。
特に、
✅ 電圧降下
✅ 起動電流
✅ ノイズ
✅ 配線抵抗
などを考慮した設計が必要です。試作段階から、実使用環境を想定した評価を行うことが重要になります。
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